令和6年度 下期 電力 問1
水力発電の制御・水車の種類・主変圧器の結線・発電機の極数(誤りを1つ選ぶ)

出典:一般財団法人 電気技術者試験センター 令和6年度 下期 第三種電気主任技術者試験 電力科目 問題(問題文・選択肢は改変せず、公開PDFの該当ページをそのまま掲載しています)
解説
5つのうち4つは水力発電の基本知識そのままで、1つだけ主変圧器の結線が逆になっている。
(3)が誤り。発電所の主変圧器は、発電機側を Δ結線、系統(送電線)側を Y結線にするのが一般的で、記述とは逆になっている。
理由は2つある。1つ目は、系統側を Y にすると中性点が取り出せるので、そこを接地して地絡事故のときの電圧上昇を抑え、保護継電器で地絡を検出できるようにするため。2つ目は、発電機側を Δ にすると、鉄心の磁気飽和などで生じる第3高調波の電流が Δ の中を循環して外へ出ていかず、系統に高調波がもれにくいため。
ほかの記述は正しい。(1) 電圧は自動電圧調整器(AVR)が界磁を、周波数は調速機(ガバナ)が水車の流量を加減して保つ。(2) カプラン水車は羽根の角度を変えられるプロペラ水車で、流量が減っても効率が落ちにくい。(4) ペルトン水車はノズルから噴き出した水の衝撃で回る衝動水車。(5) 同期発電機の回転速度は N = 120f/p なので、回転の遅い水車発電機は極数 p が多くなる(60 Hz・300 min⁻¹ なら24極。蒸気タービン発電機は3600 min⁻¹ で2極)。
正解は(3)。
落とし穴は、「高い電圧の側を Δ にする」と思い込むこと。中性点を接地したいのは送電線の側なので、Y になるのは系統側である。
選択肢ごとの理由
- (1)正しい記述。電圧は自動電圧調整器が界磁電流を、周波数は調速機が水車への流量を調整して一定に保つ。
- (2)正しい記述。カプラン水車はプロペラ水車の羽根を可動にしたもので、流量に合わせて角度を変えるので部分負荷でも効率が下がりにくい。
- (3)これが誤り。主変圧器は発電機側が Δ、系統側が Y が一般的。系統側の中性点を接地でき、第3高調波は Δ の中を循環して外へ出ない。
- (4)正しい記述。ペルトン水車はノズルからの噴流をバケットに当て、その衝撃力で回る衝動水車で、高落差に使われる。
- (5)正しい記述。N = 120f/p より、回転速度が小さいほど極数は多い。水車発電機は数十極になることもある。
この論点は、データセンターの現場でこう出てくる
誤りの選択肢になった「変圧器の結線」は、データセンターの受変電設備でそのまま出てくる。6.6 kVで受電するDCでは、受電用変圧器の一次(高圧)側を Δ、二次(低圧)側を Y にした Δ-Y 結線がよく使われる。二次側を Y にすると中性点が取り出せるので、400 V 級の三相4線式で配電でき、相電圧の230 V 前後をサーバ用の電源として直接使える。 もう一つ効いてくるのが高調波。サーバの電源やUPSの整流器は第3高調波を多く出し、Y 結線の中性線では3相分の第3高調波が打ち消されずに足し合わされる。中性線が過熱する事故はこれが原因で、一次側が Δ になっていると、その高調波は変圧器の中で循環して高圧側の電力会社の系統へは出ていかない。発電所の主変圧器で発電機側を Δ にする理由と同じ理屈である。 (1)の自動電圧調整器と調速機も、DCの非常用発電機に同じものが付いている。停電で発電機が立ち上がり、UPSから負荷を受け取るとき、急に重くなった負荷で電圧と周波数が一瞬下がり、AVRとガバナがそれを戻す。負荷試験で「投入したときに周波数が何Hzまで下がって何秒で戻るか」を確かめるのは、この2つの制御の性能を見ている。
LINEで受け取る(無料・1タップ)
電力科目の伸ばし方を、あなたの取りこぼしに合わせて返します
解説を書いている人間がそのまま答えます。DC設備職 キャリアマップつき。求人を送りつけることはしません。
合格したあとの話
この資格で、どの現場に行けるのか
本サイトは有料職業紹介事業者(許可番号 13-ユ-316867)が運営しています。 ビルメンテナンスや工場設備からデータセンターに移った人が、どの資格の段でどう条件が変わっているのか。 5問の診断から、転職の相談まで無料で受けられます。