令和6年度 下期 機械 問18
半加算器の真理値表と、2つ組み合わせた全加算器の出力


出典:一般財団法人 電気技術者試験センター 令和6年度 下期 第三種電気主任技術者試験 機械科目 問題(問題文・選択肢は改変せず、公開PDFの該当ページをそのまま掲載しています)
解説
**(a) 図1の真理値表**
図1は、AとBのOR出力と、AとBのAND出力の反転をANDに通して S₁ を作り、AND出力をそのまま T₁ にしている。
S₁ = (A + B)·(A·B)の否定 → AとBのどちらか一方だけが1のとき1(排他的論理和 XOR) T₁ = A·B → 両方が1のときだけ1
| A | B | S₁ | T₁ | |---|---|---|---| | 0 | 0 | 0 | 0 | | 0 | 1 | 1 | 0 | | 1 | 0 | 1 | 0 | | 1 | 1 | 0 | 1 |
これは1ビットの足し算 A + B の「和(S)」と「桁上がり(T)」を出す**半加算器**。正解は(3)。
**(b) 2組つないだ回路(全加算器)**
図2は、1段目でA + Bを計算し、その和 S₁ と C を2段目の半加算器に入れ、1段目と2段目の桁上がりをORでまとめて T₂ にしている。これは A + B + C の1ビット加算をする**全加算器**で
S₂ = A + B + C の和の下位ビット(1の個数が奇数なら1) T₂ = 桁上がり(1の個数が2つ以上なら1)
各選択肢を確かめると (1) 0, 0, 0 → 1の個数0 → S₂ = 0, T₂ = 0(記述の T₂ = 1 が誤り) (2) 0, 1, 0 → 1の個数1 → S₂ = 1, T₂ = 0(記述どおり) (3) 0, 0, 1 → 1の個数1 → S₂ = 1, T₂ = 0(記述の S₂ = 0, T₂ = 1 が誤り) (4) 1, 0, 1 → 1の個数2 → S₂ = 0, T₂ = 1(記述が逆) (5) 1, 1, 0 → 1の個数2 → S₂ = 0, T₂ = 1(記述の S₂ = 1 が誤り)
正解は(2)。
全加算器は「入力の1の個数を2進数で数える回路」と見ると、ゲートを1つずつ追わなくても検算できる。
選択肢ごとの理由
- (1)(a)は S₁ がすべて0で、A = 0, B = 1 や A = 1, B = 0 のときに1にならず、XORになっていない。(b)は 0+0+0 = 0 なので T₂ = 0 が正しい。
- (2)(a)は A = B = 0 で T₁ = 1 になっており誤り。(b)は正しい。0+1+0 = 1 なので S₂ = 1、T₂ = 0。
- (3)(a)は正しい。S₁ = A XOR B、T₁ = A·B の半加算器。(b)は 0+0+1 = 1 なので S₂ = 1、T₂ = 0 が正しい。
- (4)(a)は A = 1, B = 0 で S₁ = 0 になっており誤り。(b)は 1+0+1 = 2(2進で10)なので S₂ = 0、T₂ = 1 が正しく、記述は逆。
- (5)(a)は A = B = 0 で T₁ = 1 になっており誤り。(b)は 1+1+0 = 2 なので S₂ = 0、T₂ = 1 が正しい。
この論点は、データセンターの現場でこう出てくる
加算器はCPUの演算の最小単位で、データセンターに並ぶサーバの計算は、突き詰めるとこの回路が何十億個も同時に動いている結果。 電気設備の担当者にとって身近なのは、この回路が「スイッチングのたびに電力を使う」という点。CMOSの論理回路は、出力が0から1、1から0に切り替わるときに電流が流れ、消費電力はおおむね「切替回数 × 電圧の2乗」に比例する。CPUの消費電力が負荷(計算量)で大きく変わり、電圧を少し下げるだけで大きく省電力になるのはこのため。 DCの電源・冷却設備は、この消費電力の変動に追従しなければならない。AIの学習のように多数のGPUが一斉に計算を始めると、ラックの電力が数秒で大きく跳ね上がり、UPSや配電の容量、冷却の応答が追いつくかが問題になる。論理回路の動作が、建物側の電力設計にまでつながっている。
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