令和6年度 下期 機械 問2

直流電動機の出力トルクと回転数から逆起電力を出し、電機子抵抗を求める

機械A問題配点 5点
令和6年度 下期 機械 問2 の問題文

出典:一般財団法人 電気技術者試験センター 令和6年度 下期 第三種電気主任技術者試験 機械科目 問題(問題文・選択肢は改変せず、公開PDFの該当ページをそのまま掲載しています)

解説

損失が電機子銅損だけなので、「入力 = 出力 + 銅損」と「V = E + IaRa」の2本で解ける。出力はトルクと回転数から出す。

**出力** 角速度 ω = 2πn/60 = 2π × 1 500 / 60 ≈ 157.1 rad/s P = Tω = 0.4 × 157.1 ≈ 62.8 W

**逆起電力** 出力は逆起電力と電機子電流の積なので E = P / Ia = 62.8 / 3.0 ≈ 20.9 V

**電機子抵抗** IaRa = V − E = 24 − 20.9 = 3.06 V Ra = 3.06 / 3.0 ≈ 1.02 Ω

電力で検算すると、入力 24 × 3.0 = 72 W、銅損 3.0² × 1.02 ≈ 9.2 W、出力 72 − 9.2 ≈ 62.8 W で合う。正解は(1)。

落とし穴は、回転数 1 500 min⁻¹ をそのまま角速度として使うこと。min⁻¹ は1分間の回転数なので、2π を掛けて 60 で割り、rad/s に直してからトルクを掛ける。

選択肢ごとの理由

  • (1)正しい。P = 0.4 × 2π × 1 500/60 ≈ 62.8 W、E = 62.8/3 ≈ 20.9 V、Ra = (24 − 20.9)/3 ≈ 1.02 Ω。
  • (2)2.3 Ω になる素直な筋道は見当たらない。この値だと銅損が 3² × 2.3 ≈ 21 W となり、入力72 W から引いた出力 51 W がトルク0.4 N·m・1 500 min⁻¹(62.8 W)と合わない。
  • (3)3.1 は電機子の電圧降下 3.06 V を、電流で割らずにそのまま抵抗値とした場合の値。単位が V のまま。
  • (4)4.5 Ω になる素直な筋道は見当たらない。銅損だけで 40 W を超え、出力が足りなくなる。
  • (5)6.9 は逆起電力 20.9 V を電流 3 A で割った値(≈6.98)。これは電機子抵抗ではなく、回転して仕事をしている分を抵抗に見立てた値。

この論点は、データセンターの現場でこう出てくる

「入力から出力を引いた残りが損失=熱になる」という計算は、データセンターの冷却設計の出発点になる。 サーバ1台の消費電力は、最終的にほぼ全量が熱になる。ファンやポンプのモータも同じで、軸から取り出した仕事は空気や水を動かす間に摩擦で熱になり、巻線の銅損はその場でモータを温める。この問題で72 Wの入力に対して約9 Wが巻線の熱になっているように、小さなモータほど効率が低く、損失の割合が大きい。 DCではサーバ1台に数個の冷却ファンが入っており、ラック全体では数百個になる。ファンの消費電力はサーバ全体の数%〜10%程度を占めることがあり、IT機器の電力として計上される一方で冷却の仕事もしている。PUEの議論で「ファン電力をどちらに数えるか」が問題になるのはこのため。モータの入力・出力・損失を切り分けられると、その数字の意味が読める。

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